あなたは、自分をせめてしまうクセはありませんか?突然の失礼な質問をおゆるしいただきたいのですが、「自分のせいで、まわりに迷惑をかけてしまった」とか「自分のせいで、状況が悪くなってしまった」などと思いがちな性格ではありませんか?
そんな風にかんがえていると、自信がなくなって行きネガティブな気持ちになってしまいますよね。
でも、自分の心を自分であたたかくつつみこむ姿勢があれば、そんな悩みは消えて行きます。
それが「セルフコンパッション」という発想です。「セルフコンパッション」が理解できれば、自分を責めることなくポジティブな思考でいることができます。今回はこの「セルフコンパッション」についてお話しさせていただきます。
セルフコンパッションとは
「セルフ」は「自分」、「コンパッション」は「思いやる」という意味で、直訳すれば「自分を思いやる」ということです。
「思いやり」と言うと、誰か他の人へむけられるのが普通かと思いますが、ここはあえて「自分を思いやる」のです。
自分の欠点を責めるのではなく、長所をみつけて受け入れてあげることで、自分にたいしてあたたかく優しい感情をもつのが「セルフコンパッション」のかんがえ方です。
セルフコンパッションによる効果
「セルフコンパッション」をとりいれることでつぎのような効果が期待できます。
まず最初に、
「幸福感が高くなる」
自分への思いやりが高ければ、人生での満足感やポジティブな感情も高まります。日常のささやかな「食事がおいしくて幸せ」「天気がいいので気分がいい」このような幸福感を感じられるようになれば「セルフコンパッション」が成功していることの証拠です。
人生に対する満足感が高まり、ネガティブな感情はうすれていってると言えます。
つぎの効果は、
「ストレスの軽減」です。
「私は仕事ができない」「〇〇さんに私はきらわれている」「どうせ私なんか・・・」このような自分を否定する感情を少なくすることができれば、結果的にストレスを少なくすることができます。
そして、
「再起力が高まる」
精神的なダメージから回復する力がつくということです。たとえば、何か困難な状況におかれてしまっても「セルフコンパッション」によって、それをはね返すことができます。
セルフコンパッションの実践方法
「セルフコンパッション」の実践は、いままで自分にたいして足りていなかった「思いやり」を取り戻す作業からはじまります。本来のあなたのすがたへ戻るのです。
そのためにはまず最初に、
「自分に優しく」
前述のとおり、たとえば仕事上でまわりに迷惑をかけてしまったとき、「私の能力がないからだ・・・」と自己否定するより、「仕事はおそかったけれど、ていねいにできた」などよかった点に注目します。
つぎに、
「私だけが・・・とかんがえない」
同僚より仕事ができずに差が出たとき、「他の人はできているのに、なぜ私だけが・・・」などとかんがえると「孤独感」におそわれるだけです。
「たいへんなのはみんな同じ」ととらえて、自分にも他者にも優しい気持ちで接するようにします。
そして、
「ネガティブな感情をもたない」
イヤな上司のもとで働いたりすると、どうしても不平・不満をもってしまいます。でも、上司の小言などは単なる雑音であり、単なる意見のひとつだと距離をおくのです。
そのような状況を客観的にみられれば、「怒り」「不満」というネガティブな思考がきえて行きます。
以上3点をこころがければ、自然に自分への思いやりの気持ちを回復することができます。
セルフコンパッション・慈悲の瞑想とは
前項でお話させていただいた3点の「セルフコンパッション」の実践を同時におこなう方法があります。それが「慈悲の瞑想」です。
「慈悲の瞑想」は、まず最初につぎのことばをあなたの心のなかでとなえます。
「幸せでありますように」
「苦しみがなくなりますように」
「健康でいられますように」
このように、あなた自身に愛情のこもったことばをかけてあげることによって、何かに失敗したりうまくいかないことがあっても、その経験から得た「学び」など、ポジティブな点に気づけるようになります。
「慈悲の瞑想」で心が落ち着いてくれば、「お世話になった人」「好きな人」「きらいな人」「あなたとは無関係な人」まで、慈しみの対象をひろげます。
自分にも他人にも優しく接することで、心穏やかな状態でいられるようになります。
「セルフコンパッション」は仕事だけでなく、恋愛相手や家族との時間のなかで活用することもできます。どうぞ穏やかな心で、幸せな人生をおすごしください。
そして、美しく生きるよろこびを感じてくださいね。きっとですよ(^^)